「勉強しなさい」をやめたら、何が起きるか?

勉強しなさいをやめたら、何が起きるか
勉強しなさいをやめたら、何が起きるか
子育て

親が一番言ってしまう言葉

「勉強しなさい」

子育てにおいて、 おそらく最も多くの親が口にしてきた言葉ではないでしょうか。

朝、学校に行く前に。 夕方、遊びから帰ってきた子どもに。

夜、テレビやゲームに夢中になっている背中に。

「いつになったら勉強するの?」

「テスト近いんじゃないの?」

「そんなことしてる場合じゃないでしょ」

私も、数えきれないほど言いました。

そして、言うたびに思っていました。

「言わないと、この子は本当に何もしない」

でも、岸見一郎先生の『子どもをのばすアドラーの言葉 子育ての勇気』(幻冬舎、2016年)を読んで、 ある事実に気がついたんです。

「勉強しなさい」と言い続けて、 子どもが自分から勉強するようになることはないのです。

「勉強しなさい」が生む悪循環

前回、「課題の分離」についてお話ししました。

勉強するかしないか。それは子どもの課題です。

その結果を引き受けるのも、子どもです。

でも親が「勉強しなさい」と言い続けると、こうなります。

  1. 親が「やれ」と言う
  2.  子どもは「言われたからやる」
  3. 「自分のためにやっている」という感覚がなくなる
  4. 言われないとやらなくなる
  5. 親はもっと言うようになる

完全な悪循環です。

そして最終的に子どもは、こう感じるようになります。

  • 「勉強は、親にやらされるもの」
  • 「勉強は、楽しくないもの」
  • 「言われるからやるけど、別に自分のためじゃない」

本来、知らないことを知る喜びは、子どもの中に最初からあるものです。

小さい頃は「なんで?」「どうして?」と目を輝かせていたはずです。

その輝きを消してしまうのが、「勉強しなさい」の一言だった。

これに気づいたとき、私はかなりこたえました。

「言わない」のは、怖い

ここまで読んで、 「じゃあ、もう言わない方がいいんだ」と頭では思っても、 実際にやめるのはものすごく怖いと思います。

「言わなかったら、本当にやらないかもしれない」

「テストで散々な点を取るかもしれない」

「受験に間に合わなくなるかもしれない」

わかります。

私もそうでした。

でも、ここで思い出してください。

「勉強しなさい」と言い続けた結果、 子どもは自分から勉強するようになりましたか?

なっていないなら、 今のやり方は、そもそも効いていない。

効いていない薬を飲み続けても、病気は治りません。

勉強しなさいをやめたら、何が起きるか

勉強しなさいをやめたら、何が起きるか

じゃあ、親にできることは何か

「勉強しなさい」をやめるのは、「何もしない」のとは違います。

前回お話しした通り、親には親の課題があります。

  • 子どもが勉強しやすい環境を整える。
  • 子どもが「知る喜び」に触れる機会をつくる。
  • 子どもが助けを求めてきたら、すぐに応じる。

命令ではなく、環境と関係性で応援する。

これが、課題の分離を実践するということです。

子どもが自分の人生のために学ぶ。

その力を信じて待つ。

忍耐がいります。

すぐに結果は見えないかもしれません。

でも、「やらされる勉強」と「自分で選んだ勉強」では、 その先に残るものがまったく違います。

今日からできる、たった一つのこと

いきなり「勉強しなさい」を完全にやめる必要はありません。

今日、一回だけ、言いかけてやめてみる。

その代わりに、子どもの隣に座って、自分も何か読んでみる。

何も言わなくていい。ただ隣にいるだけでいい。

子供の可能性は無限です。

その可能性は、命令からではなく、信頼の中から芽を出します。

『幸せな秀才児』が増えることが最大の喜びです。

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📚 この連載について
この記事は、哲学者・岸見一郎先生のアドラー心理学をもとにした
「アドラー心理学で学ぶ子育て」連載の一部です。
→ 連載の全記事一覧・概要を見る(リンク:/adler-parenting/