「この言い方、自分の親と同じだ、、。」
子どもを怒鳴った後で、ふとそう気づいたことはありませんか。
私は、何度もあります。
自分がされて嫌だったことを、 同じように自分の子どもにやってしまう。
頭ではわかっているのに、気がついたら口から出ている。
「どうして止められないんだろう」
そう自分を責めて、また落ち込む。
そんな夜を、いくつ過ごしてきたかわかりません。
世代間連鎖は、あなたのせいではない。
気づいた瞬間から、連鎖は止められる。
目次
連鎖は、あなたのせいじゃない
友田明美先生の『親の脳を癒やせば子どもの脳は変わる』の中に、 この「繰り返し」について書かれた章があります。
世代間連鎖、という言葉です。
親から受けた養育のあり方が、 知らないうちに自分の子育てに引き継がれていく現象のことです。
これを読んだとき、私は正直、少し楽になりました。
「性格が悪いから繰り返すんじゃなかったんだ」
「意志が弱いから止められないんじゃなかったんだ」
と、思えたから。
繰り返してしまうのは、脳がそのやり方を「正解」として覚えているから。
それだけのことなのです。
なぜ、脳はそれを「正解」と覚えるのか
子どもの頃、私たちはまだ何も知らない。
怒鳴られても、叩かれても、無視されても、 「これが普通だ」と思って育つしかない。
なぜなら、親が世界のすべてだから。
親のやり方が「この世界での生き方」として そのまま脳に刻み込まれていく。
だから大人になったとき、 追い詰められたり、余裕をなくしたりすると、
脳は「知っているやり方」を取り出す。
それが、 怒鳴ることだったり、 黙って無視することだったり、 感情をぶつけることだったりするのです。
わかっていても、止められない。 それは当然のことでした。
自分がどう育てられたか、少しだけ思い出してみる
ここからが、この回の核心です。
少し、自分の子ども時代に戻ってみてください。
怖いことを思い出す必要はありません。
ただ、ぼんやりと眺めるくらいで十分です。
- 親は、怒るときどんな顔をしていたか。
- 失敗したとき、なんと言われたか。
- 泣いているとき、どうされたか。
- 「よくやった」と言ってもらえたか。
答えを出す必要はありません。 ただ、思い浮かべるだけでいい。
そしてもし、 「今の自分の子育てと似ているな」 と感じることがあれば、
それが連鎖の入口です。
連鎖に気づいた瞬間が、終わりの始まり
怖い言葉に聞こえるかもしれません。
でも私は、これを希望だと思っています。
気づいた人から、連鎖は止められる。
気づかない限り、連鎖は続きます。
「自分はちゃんとしている」と思い込んだままだと、 変えようがない。
でも一度「あ、これ、引き継いでいるかもしれない」と気づけば、 そこには選択肢が生まれます。
同じようにするか、しないか。
立ち止まるか、流されるか。
- 怒鳴られて育った
↓
- 「怒るときはこうするものだ」と脳が覚える
↓
- 自分の子どもにも同じことをしてしまう
↓
- 気づく
↓
- 「これは引き継がなくていい」と選び直せる
この「気づく」の一段が、すべてを変えます。
過去は変えられない。でも、連鎖は止められる
自分が受けた子育てを、なかったことにはできません。
傷ついた記憶を消すこともできません。
でも、今日から先の子どもの記憶は、まだ書かれていない。
私は、友田先生のこの本に出会って、 自分の子育てが「過去の上書き作業」じゃなく、
「新しい歴史の始まり」なんだと思えるようになりました。
完璧な親に育てられた人なんて、ほとんどいない。
みんな、何かを引きずりながら親になっている。
それでも、気づいた人から変えていけばいい。
あなたがこの記事を読んでいるということは、 すでに「気づこうとしている」ということです。
それだけで、連鎖は半分止まっています。
自分を責めないためのひとつの問いかけ
もし、子育てで「またやってしまった」と思うことがあったら、 責める前に、一度だけ自分に聞いてみてください。
「今の自分は、子ども時代の自分に何をしてあげていたか?」
- 怒鳴ってしまったなら、 子ども時代の自分もそうされていたかもしれない。
- 無視してしまったなら、 子ども時代の自分も無視されていたかもしれない。
あなたは、誰かに教わった方法で、必死に子育てをしているだけです。
- それは責められることじゃない。
- 知らなかっただけ。
- 今、知ったのだから、今から変えていけばいい。
自分の過去を責めることも、 自分の親を恨み続けることも、 どちらもあなたの脳をすり減らすだけです。
大切なのは、ただひとつ。
今日の自分が、昨日よりほんの少し、やさしくいられること。
それだけでいいのです。
『幸せな秀才児』が増えることが最大の喜びです。
