はじめに ─ この連載について
この連載は、小児神経科医・友田明美先生の著書『親の脳を癒やせば子どもの脳は変わる』(NHK出版新書)を出発点に、脳科学の視点から子育てを見つめ直す全13回のシリーズです。
「怒鳴ってしまう自分を責めてしまう」「ちゃんとした親になれない」と悩んでいる親御さんに、脳科学の視点から「あなたのせいじゃない」というメッセージを届けたくて書きました。
順番に読んでいただくのがおすすめですが、気になるテーマから読んでも大丈夫です。
一緒に学んでいきましょう。
第1章 ─ 子育てが辛いのは「あなたのせい」じゃない

疲れ果てた美しい母親の姿
第1回 育児が辛いのは「あなたのせい」じゃない
「頑張ってるのに怒鳴ってしまう」のはあなたのせいではなく、脳の司令塔(前頭前野)が疲れているサインです。
連載の出発点となる、自分を責めない子育ての考え方。
第2回 マルトリートメントの正体を知る
子どもの脳を傷つける「マルトリートメント(不適切な養育)」の4つのタイプを解説。
知ることが、わが子の脳を守る最初の一歩です。
第3回 ストレスで変化する脳の3部位
前頭前野・聴覚野・視覚野で起きる変化と、海馬・扁桃体への影響を解説。
「脳はいつからでも修復できる」可塑性の希望もご紹介。
第4回 わかってるのに怒鳴ってしまう理由
「わかっているのに怒鳴ってしまう」のは性格でも愛情不足でもなく、脳に刻まれた過去の記憶の反応です。
世代間連鎖のメカニズムを解説。
第2章 ─ 知っておきたい「マルトリートメント」の具体例

怒鳴ってしまった後の後悔
第5回 「しつけ」と「虐待」の境目はどこ?
「うちは虐待じゃない」と思っていませんか?
しつけと虐待の間にあるグラデーションを、責めずに見つめ直す視点を解説。
第6回 体罰は”しつけ”にならない
「叩かないと言うことを聞かない」は誤解です。
体罰が子どもの「前頭前野(考える力)」に与える影響を解説します。
第7回 その一言が、子どもの脳を小さくする
「叩かなければ大丈夫」は誤解です。
親の暴言が子どもの「聴覚野」を変化させる脳科学的事実と、言葉の選び方を解説。
第8回 夫婦ゲンカを見せることの代償(面前DV)
「子どもには手を出していないから」は誤解です。
面前DVが子どもの脳の視覚野に与える影響と、家庭の空気を整える方法を解説。
第9回 親が疲れ切っているとき、子どもの脳で起きていること
親のストレスが子どもの脳に与える影響と、今日からできる5つのセルフケアを解説。
ワンオペ育児で限界の方へ。
第3章 ─ 親の脳を癒やすという発想

自分を癒すこと
第10回 「親の脳を癒やす」という発想とは?
「子どもが変わってくれれば楽になるのに」は順番が逆です。
親の脳が癒されると、関わり方が変わり、子どもの脳が変わります。
第11回 「ほどよい親」でいい ─ 完璧を手放す勇気
「もっとちゃんとしなきゃ」と疲れていませんか?
ウィニコットが提唱した「ほどよい親」という考え方を解説します。
第12回 自分の子ども時代を、そっと振り返ってみる
「自分の親と同じ言い方をしている」と気づいたあなたへ。
世代間連鎖のメカニズムと、気づいた瞬間から連鎖を止める方法を解説。
第13回(最終回) 脳は、何歳からでも変わる ─ 希望の話
「子育ては手遅れ」と感じている親御さんへ。
脳の可塑性とは、何歳からでも脳は変わるという希望の事実です。

理想の家族の未来像
連載のおわりに
完璧な親になるためではなく、「ほどよい親」でいられるために。
親の脳も、子どもの脳も、何歳からでも変わることができます。
気づいた今日が、いつだってスタート地点です。
一緒に、少しずつ整えていきましょう。
参考文献
友田明美『親の脳を癒やせば子どもの脳は変わる』(NHK出版新書, 2019年)

