脳は、何歳からでも変わる ─ 希望の話をしよう

「脳は、何歳からでも変わる ─ 希望の話をしよう」
「脳は、何歳からでも変わる ─ 希望の話をしよう」
子育て

「もう、遅いかもしれない。」

この連載を読みながらそう思った親御さんがいるとしたら、 今回のお話は、その方のために書きます。

怒鳴ってきた年月が長すぎた気がする。

気づくのが遅すぎた気がする。

子どもはもう大きくなってしまった。

手遅れじゃないか

と。

私も、そう思った時期がありました。

あのとき、もっと早く知っていれば。

あの言葉を、言わなければよかった。

怒鳴った後の、あの顔が忘れられない。

でも、友田明美先生の『親の脳を癒やせば子どもの脳は変わる』は、 最後にこう言っています。

脳は、何歳からでも変わることができる。

「脳は、何歳からでも変わる ─ 希望の話をしよう」

「脳は、何歳からでも変わる ─ 希望の話をしよう」

「可塑性」という、脳の底力

脳には可塑性(かそせい)という性質があります。

難しい言葉ですが、意味はシンプルです。

「脳は、環境や経験によって、何歳からでも作り変えられる」

ということです。

子どもの脳だけじゃない。

大人の脳も。

親の脳も。

傷ついた脳は回復できる。

固まってしまった反応パターンは書き換えられる。

諦めていた関係は育て直せる。

これは希望的観測ではありません。

脳科学が示している事実です。

遅すぎることはない

よく聞く話があります。

「3歳までが大事」

「小学校に上がる前が勝負」

「思春期を過ぎたら、もう変わらない」

私も、ずっとそう信じていました。

だから余計に焦って余計に追い詰めて、 余計に怒鳴っていた部分があったと思います。

でも、それは半分しか正しくないのです。

たしかに、幼い時期の環境は脳の発達に大きく影響します。

それは本当のことです。

でも同時に、脳は一生涯、変化し続けることも、 同じくらい本当のことなのです。

子どもの脳は今日も育っています。

昨日とは違う今日の関わりが、 昨日とは違う信号を脳に届けます。

遅すぎることはない。

気づいた今日が、いつだってスタート地点。

親が変わると、子どもが変わる

この連載を通じて、何度も繰り返してきたことがあります。

  • 親の状態が、子どもの脳に届く。
  • ストレスで疲弊した親の顔が届く。
  • 余裕のなさが届く。
  • 怒鳴り声が届く。

でも同時に、

  • 穏やかな声も届く。
  • 「ごめんね」の一言も届く。
  • 隣に座って話を聞いてくれた時間も届く。
  • 一緒に笑った夜も、届く。

親が少し変わると、届く信号が変わる。

届く信号が変わると、子どもの脳が変わる。

子どもの脳が変わると、子どもの未来が変わる。

これが、友田先生がこの本のタイトルに込めた意味だと私は思っています。

「完璧な過去」より「今日のひと言」

過去は変えられません。

あのとき怒鳴った事実は消えません。

傷つけてしまった記憶は、なかったことにはなりません。

でも、子どもの脳に刻まれていくのは過去だけじゃない。

今この瞬間も、刻まれていく。

今夜、ご飯を食べながらした他愛ない話。

おやすみの前に頭を撫でた手の温かさ。

「今日どうだった?」と聞いた声のトーン。

それも全部、届いています。

蓄積されています。

脳の中に積み重なっています。

完璧な過去を持つ親になることは、もうできない。

でも、今日から少しずつ積み重ねていく親にはまだなれる。

それで、十分なのです。

我が子のことを本気で考えている あなた へ

ここまで読んでくれてありがとうございました。

重い話も、ありました。

「ドキッとした」と感じた回もあったかもしれません。

自分の子育てを振り返って、胸が痛くなった夜もあったかもしれません。

でも、最後まで読んだということは、 あなたが我が子のことを、本気で考えている親だということです。

それだけで、もう十分に伝わっています。

子どもには、ちゃんと届いています。

怒鳴ってしまう日もあっていい。

余裕がなくなる日もあっていい。

「今日はダメだった」と思う夜もあっていい。

ただ、明日また、向き合えればいい。

「昨日より少しだけ」でいい。

親の脳も、子どもの脳も、 何歳からでも、変わることができる。

その事実を、お守りとして持っていてください。

子育ては、終わりのない学びです。

私も、まだ途中です。

あなたも、まだ途中です。

一緒に、学び続けましょう。

完璧な親になるためではなく、 ほどよい親でいられるために。

『幸せな秀才児』が増えることが最大の喜びです。