送球イップスを1週間で治す!イップスの原因と克服法

トレーニング法

スポーツの世界には、イップス(Yips)という一種の精神的な怪我があります。

一流のプロゴルファーが1mのパットを大きく外してしまったり、プロ野球選手が送球を大きく暴投してしまったり、短距離選手が毎回スタートで出遅れてしまったりとこのイップスに悩み競技を辞めてしまう選手も少なくないのです。

今回は、このイップスの克服のやり方を詳しく紹介していきます。

イップスとは?

人間の脳はスーパーコンピューターのように多くの情報処理を瞬時に行なうことができる優れた機能を持っています。

脳がイメージしている意識には2種類あります。

  • 顕在意識 → 認識している意識

「走るために全身に力を入れよう」

「泳ぐために息をいっぱい吸い込もう」

  • 潜在意識 → 認識していない意識(無意識)

「走るために膝を曲げて重心を前方下に移し腿と脹脛と足の親指と・・・」

「水に入ったら身体を伸ばし水の抵抗を減らしバタ足と同時に腕を掻いて鼻から息を吐きながら・・・」

運動する場合、今から走ろう!と意識するまでは顕在意識が働きますが、実際に効率よく走るために全身の使い方を細かくコントロールしているのは潜在意識なのです。

全身の筋肉を細かく動かす時に一々全てを意識していては素早くスムーズに動くことは出来ませんが、これを無意識にできるのは潜在意識が過去の経験を元に自動的に動かしているおかげなのです。

運動の技能レベルが高まってくると、この潜在意識で無意識で行なう領域が増えていくので上級者は難しいことを簡単にできるようになるのです。

イップスとは、この顕在意識と潜在意識のズレが大きくなったときに起こる現象なのです。

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上級者に起こるイップス

イップスはある程度その競技の技能レベルが上がっている上級者にしか起こりません。

初心者が失敗するのは、まだ出来るレベルに達していない事による成功確率が低い結果ですが、上級者になると、それまでの経験が固定観念として潜在意識に記録されているので、何らかの要因で間違った入力をしてしまうと、潜在意識は顕在意識が望んでいない動きを身体にさせてしまうのです。

イップスが上級者にしか起こらないのは、この潜在意識への間違った入力が無いと起こらないからなのです。

潜在意識への間違った入力

イップスの殆どが、プレーでのミスや失敗で大きなショックを受けた事が原因で起こります。

ミスをコーチに酷く叱責されたり、大切な試合で失敗したことによりその後の道が絶たれてしまうなどのトラウマのような経験が引き金(トリガー)となり起こるのです。

このトラウマが潜在意識に刻まれてしまい、無意識に身体を萎縮させたり、動けなくしたりしてしまうので、思った事と全く違う動きになりとんでもないプレーをしてしまうのです。

さらには、このイップスによる結果が再びトラウマとなり潜在意識に間違った入力として刻み込まれるため、イップスを克服することが難しくなっていくのです。

旧)イップス克服法(イメージトレーニング)

一般的にイップスの克服法として行われているのは、イメージトレーニングにより過去の成功体験を思い出して、潜在意識を上書きするやり方です。

プロ野球選手の送球イップスなら、キャッチボールの時に、「小さい時の活躍したイメージを思い出してみよう」と過去の成功体験を30分くらいイメージさせてからボールを投げさせるのです。

こうすると、実際にキャッチボールでは自信を持って力強い送球ができるようになるのですが、試合になるとまたイップスの症状が出て暴投を繰り返してしまうのです。

このやり方でイップスを克服するためには、1ヶ月以上の時間がかかり、多くの場合は根本的な克服ができない事が多いのです。

表面的に潜在意識を上書きしても、深層心理ある根深い意識を全て変える事ができなければ根本的な克服はできないのです。

真)イップス克服法(固定観念の解消)

  • 固定観念 → 深層心理で信じている事

イップスになっている選手の潜在意識の奥にある深層心理には、『ミスする』『失敗する』という固定観念があるため、どんなに表面的な顕在意識で『上手くやる』『いいプレーをする』とイメージしても、

潜在意識では『ミスする』『失敗する』という指令を身体に出してしまっているのです。

イップスの根本的な克服のためには、この潜在意識の奥にある固定観念を解消する事が必要となるのです。

固定観念の解消方法

固定観念を解消するためには、下記のステップが必要です。

  1. 固定観念に気づく
  2. 気づくために、現実を把握する
  3. 起きる現実の感情にフォーカスする
  4. 感情と向き合う
  5. 歩み寄る

始めに最も重要な事は、固定観念がイップスの原因だと認識する事です。

認識するためには、起きている現実を広く正確に把握する事が必要です。

起きている現実とは、例えば、野球選手の暴投の場合なら、暴投することによって起こる現実を詳細に分析するのです。

チームに迷惑を掛けたり、仲間やコーチにバカにされたり、周りを失望させたりと起こりうる現実を詳細にイメージするのです。

現実をイメージできたら、その現実が起こった時の自分の感情にフォーカスするのです。

・怒られた時にどんな感情が湧くのか? 怒り、恐怖?

・バカにされたらどんな感情が湧くのか? 怒り、羞恥心?

・失望されたらどんな感情が湧くのか? 無価値感、情けなさ?

この時、感情の一つ一つと向き合い

一つ一つ、受け入れられるか?克服できるか?我慢できるか?昇華できるか?を確認するのです。

固定観念が解消できない犯人は、この感情が深層心理に根深く居座っているからなので、この感情と向き合い、大した事がないと慣れたり些細なことだと受け入れ我慢したりできるようになれば、実際に身体を動かす時にイップスが現れなくなるのです。

実際には、身体の使い方も合わせて克服していくのですが、私が指導した選手の場合、1日目でイップスのトラウマイメージが大した事無いと認識できるようになり、1週間経たずに完全に克服する事ができるようになります。

克服のためには、正しいやり方で指導する必要がありますが、成功体験で上書きする簡単なイメージトレーニングではイップスは克服することは難しいですが、

この潜在意識の固定観念を解消する方法では高い確率でイップスを克服する事ができるのです。

私自身も、学生時代に野球の送球イップスを経験し結局競技を辞めてしまった経験を持っていますが、当時このような心理的なやり方を知っていたら克服できていたのではないかと思っています。

イップスになると、完全に回りが見えず失敗しかイメージできなくなります。

イップスを抱えた選手は、意欲的に競技に取り組むことができなくなり、良い練習も積むことができず怪我をしてしまうこともあります。

イップスは簡単に克服できます!

諦めずに克服して欲しいです。

指導が必要なら連絡下さい。

『幸せな秀才児』が増えることが最大の喜びです

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