【脳科学】親のストレスが子どもの脳に与える影響〜ワンオペ育児で限界の方へ

親が疲れ切っているとき、子どもの脳で起きていること
親が疲れ切っているとき、子どもの脳で起きていること
子育て
「最近、ちょっとしたことでイライラしてしまう」 「子どもの声がうるさく感じる自分が嫌になる」 「夜、ふと涙が出てくる」 もしも今、こんな状態の親御さんがこの記事を読んでくださっているなら、 最初に伝えたいことは、ただひとつだけです。 それは、あなたが悪い親だから、ではありません。 本当に、そうではないのです。
親が疲れ切っているとき、子どもの脳で起きていること
親が疲れ切っているとき、子どもの脳で起きていること

子育ては、体力と気力を同時に削る作業

友田明美先生の『親の脳を癒やせば子どもの脳は変わる』を読んでいて、 私がいちばん救われたのは、 「親のストレスそのものが、子育てに影響を与える」 ということを、先生がとても丁寧に書いてくださっていたことでした。 言い換えれば、 親を整えることが、子どもを整えることと同じくらい大事 という発想です。 これは、子育てをしている人なら、頭ではなんとなく分かっていたことかもしれません。 でも改めて、脳科学の立場からこう言ってもらえたことは、 私にとって大きな肩の荷を下ろすきっかけになりました。

余裕がないとき、私たちの脳で起きていること

親がストレスを抱え続けていると、脳はどうなっていくのでしょうか。 本書の表現をかみ砕いてお伝えすると、こんな感じです。
  • ちょっとしたことで感情が爆発しやすくなる
  • 冷静な判断ができなくなる
  • 物事を前向きに捉えられなくなる
  • 子どもの行動が何でも「悪いこと」に見えてしまう
  • 自分を責めるループから抜け出せなくなる
これらは、決して 「親として未熟だから」 起きているのではありません。 脳が、休息を欲している状態 だから起きているのです。 スマホがバッテリー切れ寸前だと、動作がカクカクしますよね。 人間も、まったく同じです。 充電が切れかけた脳では、優しい子育てはできません。 これは努力でどうにかする話ではなく、エネルギー残量の問題なのです。

親の疲れは、子どもに伝わる

ここからが、本書が教えてくれる大事なことです。 親の余裕のなさは、見えない信号 として、子どもにちゃんと届いています。
  • ため息の回数が増える
  • 声のトーンが低くなる
  • 返事が短くなる
  • 笑顔が少なくなる
  • 目を合わせる時間が減る
親自身は「別に態度には出していない」と思っていても、 子どもはそのすべてをキャッチしています。 そしてこの「家庭の空気」は、 子どもの脳の土台となる 愛着形成 の部分に、じわじわと影響を与えていくのです。 怖がらせたくて書いているのではありません。 むしろ逆で、これを知ったからこそ、 「親の余裕=子どもの脳の栄養」 という順番が見えてくる、という話なのです。

それは甘えではなく、子育て戦略です

日本の子育て文化では、 「親は我慢するのが当たり前」 という空気が、まだまだ強く残っています。
  • 子どもが小さいうちは、自分のことは後回し
  • 疲れていても、笑顔でいなきゃ
  • 弱音を吐くなんて、親失格
私たちは、こういう無言のプレッシャーをいつの間にか背負ってきました。 でも、友田先生の本を読むと、この発想そのものを手放したくなります。 親が自分を大切にすることは、甘えでも、逃げでも、手抜きでもない。 子どもの脳を守るための、もっとも合理的な戦略である。 この順番を入れ替えるだけで、子育ての景色はずいぶん変わります。 「私が休むと、子どもが困る」ではなく、 「私が休むから、子どもの脳が守られる」 これが、本書がくれた大きな気づきでした。

今日できる、小さなセルフケア

「分かったけど、具体的に何をすればいいの?」 そう思う方のために、今日からできる小さなことをいくつか書いておきます。
  • 5分でいいから、ひとりになる時間をつくる
  • 「ちゃんとしよう」を一日だけやめてみる
  • 冷凍食品やお惣菜に頼る日を、罪悪感なく許す
  • 誰かに「ちょっと疲れてる」と言葉にしてみる
  • スマホを閉じて、15分早く寝てみる
どれも、たいしたことではありません。 でも、これが積み重なると、確実に脳の充電が戻ってきます。 そして脳の充電が戻ってくると、 今まで怒鳴っていた場面で、ふっと息を吐けるようになる のです。 これが、本書のいう 「親の脳を癒やす」 ということの入口です。

疲れている今日のあなたへ

今、この記事を読んでくださっている親御さんの中には、 本当にギリギリで日々を乗り切っている方もいると思います。 そんなあなたに、最後に伝えたいのはこの言葉です。 疲れているのは、頑張ってきた証拠です。 子どもを大切にしたいから、苦しくなるのです。 どうでもいい相手には、私たちはここまで疲れません。 だから、自分を責めないでください。 むしろ、今日のあなたは、すでに十分よくやっています。 次の記事では、 この「親の脳を癒やす」という発想について、もう一歩深く掘り下げていきます。 ひとりじゃありません。 一緒に、少しずつ整えていきましょう。 『幸せな秀才児』が増えることが最大の喜びです。

📚 この連載について

この記事は、小児神経科学者・友田明美先生の研究をもとにした「脳科学で読み解く子育て」連載の一部です。 → 連載の全記事一覧・概要を見る
【子育て食育に関する免責事項】
本記事は、子育てメンタルコーチ・飲食店経営10年の実体験と独自の学習に基づく情報提供を目的としており、医学的・栄養学的な診断や治療の指導に代わるものではありません。お子さんの食事や健康に関する重要な判断は、必ずかかりつけの医師や管理栄養士にご相談ください。