子供とお金_金銭的報酬と非金銭的報酬

子育て

お駄賃とお小遣いを辞める

人をお金で釣ろうとすることは、人は損得でしか行動しないと決めつけ心が清貧でないと疑っている行動の現れです。

私が以前経営していた会社でも、社員の報酬に歩合制を導入していたのですが、その内容が、昨年対比110%を目標として、100%達成ならボーナス○万円、目標の90%(昨年実績)に満たない場合はマイナス金額に応じてペナルティ○千円~○万円のようなものにしていました。

歩合制を導入した年度は、目標達成してボーナスを支給したのは年間で2回、ペナルティを徴収したのが3回という会社にとって昨年よりも売上を落とす結果となり苦い経験をしました。

これが上手くいかなかった原因は、ペナルティを取ることをルールに入れたことでした。

どの会社でも同じだと思いますが、会社の目標は頑張ればギリギリ手が届く辺りに設定しています。このケースでは、昨年実績とほぼ同じ結果ならプラスマイナスゼロ、昨年の10%増しならボーナス支給、昨年よりも10%減ならペナルティを取るというルールにしていました。

経営者の思惑としては、社員みんなで頑張って売上を増やしてくれたら増えた分の利益は丸々社員に還元してもいいと考えていました。

しかし、そんなお金で釣ろうとした結果は、ラッキーで達成しボーナス支給したのが2回、前年とほぼ同じ結果が7回、前年よりも少し悪い結果が3回でした。

ペナルティを導入したことで、社員からしたら、ペナルティを支払えば、仕事の結果が悪くても良いのだと会社が認めているという形になったのです。

ペナルティをがなければ、前年よりも売上が悪くなれば仕事の成果に対して責任を感じ責められていたかもしれないのに、ペナルティを払うことで、売上が下がった責任を免れることになっていたのです。(実際にはペナルティとして金銭的責任を取っていたのです)

ペナルティを取らない報酬体系のときには、売上が下がれば、社員全員がそれぞれ責任を感じ、売上を上げる努力を率先してやってくれていたのですが、ペナルティを導入した結果、お金で責任と楽をする事を買うことが出来てしまったのです。

チーム単位や組織の協力で売上を上げている業種の場合は歩合制を導入する際にはこのような落とし穴がありますので気をつけないといけません。

社員の給与を増やして上げたいとの思いから歩合制を導入している会社の経営者も、良かれと思いこのような事をしているのですが、結果的には、会社と社員のどちらにもメリットの無いものとなっているのです。

子供にとってのお金とは、大人が思っているよりも軽いものです。

お金の力を知らないので、あれば欲しい物が買えるから沢山欲しいけど、無くても困らない程度のモノとしか認識していません。

そこに、大人がお金を貯めないとあとから苦労するよとか、お金は苦労して稼ぐものだからお金のために何かを我慢させたりとかするからおかしくなるのです。

我が家でも、先程の会社での失敗を全く同じ失敗をしていました。

お金は貰うものではなく、稼ぐものだ!

なんて、どっかの成功本に書いてある事を真に受けて、それを子供にも伝え、家庭内でお金を稼がせる仕組みを作っていました。

料理や掃除のお手伝いをしたら50円、テストでいい点数取ったら500円、パパの仕事を手伝ったら1000円などと、本気で稼ごうと思ったらすぐに数千円稼げるような設定にしていました。もちろん、成功本に書いていたように、紙に書いて貼っていました。

しかし、この仕組は最初の1回づつしか機能せず、1ヶ月も経たずに絵に描いた餅となり、結果自然消滅してしまいました。

我慢や苦労してお金を得ることを刷り込むと、お金を得ることを諦めたら我慢や苦労をしなくてもいいと考えるようになります。

人は本当に欲しい物のためにしか動きません。

人は本気でやりたい事のためにしか動きません。

子供はお金が無くても困らないので、本気でお金を稼ぐ事はないのです。

私は、そんな事も解らず愚かな失敗をしていたのです。

会社でも家庭でも、本質は同じです。

お金を得るためにしか行動しないと、お金を諦めたら行動しなくても良いと認めることになるのです。

だから、お手伝いしたら○円あげるというルールを作っても長続きしないのです。子供は大人が思っているよりもお金が欲しくは無いのです。

お金で釣るのは大人の大きな勘違いなのです。

お金でしか動かない子供になったら将来大変です。

働くとは?社会とは?などと考えることもなく、自分のことしか考えない人間になります。

本来、仕事とは、社会貢献を通じて自己表現や自己実現することだと思いますが、このようなことを子供に真っ直ぐに伝えるためには、お金で釣ることを一切辞めなければいけません。

本当に大切なことは、人のためや直接的なメリットが見え難い、非金銭的な事に対して損得を考えず行動できるよ人になる事です。

会社でも、みんなが働きやすい環境を率先して作ってくれる人がいないと働きやすい会社になりません。会社での行動全てに、会社への貢献度を数値化するような仕組み導入するから、自分のメリットにならない事はやらなくても良いと考える社員が増えるのです。

社員が悪いのではなく、仕組みが間違っているのです。

同様に子育てでも、モチベーションを高めてどんな事にも意欲的に取り組んで欲しいとの親の思いで作った”お駄賃ルール”が、逆にやりがいよりも損得勘定を優先する事で意欲的な行動を妨げる原因となることがあるのです。

ここにも、頑張ったらすぐに報いてやらないと、次から頑張る意欲が沸かなくなるのではないかとの『疑い』があるのだと思います。

我が家では、その失敗以来、子供はお金を重要視していません。欲しいものは親に相談して必要なら買ってもらうだけです。

お金はどうでもいいのです。欲しいのはモノです。欲しい物を手に入れるために、自分からテストの平均点が○点以上ならこれを買って欲しい、今度の大会で優勝したらこれを買ってほしいと親に交渉することはあっても、そこにお金は介在しないのです。

人間は、自分が手に入れたいモノのためにする努力を苦労と認識しません。

本当に欲しい物をどうやって手にするのかを考える事に意味があるのです。

手に入れる方法は無限にあるので、子供なりに懸命に考え試行錯誤する事が生きる力を育む事にも繋がります。余談ですが、女の涙を身に着けた娘は父親との交渉に負ける事はほぼ無くなります。こうやって処世術を覚える事も重要なのです。

大切な事はお金を介在させないことです。

お金には、貯蓄という機能があるので、人は本当に欲しい物が無くお金を稼ぐ必要な無くても、目の前にお金があると理由なく欲しくなって釣られてしまうのです。

子供をお金が介在しない世界で育てると、このお金に釣られる事を防ぐことが出来ます。実際には、社会に出てからもお金に縛られない生き方が出来るかは分かりませんが、進路決定においても、そこにお金という存在を考えなくていいなら、自分の本当にやりたい事を本気で見つけるようになり、それを手に入れるための方法も自分で探し見つけ出すようになるのです。

子供を『疑わない』事が出来れば、お金の呪縛からも抜け出す事が出来るのです。

『疑い』が子育てに与える影響について本を書きました。

参考になれば幸いです。

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