目次
短所ばかりが、目につく
「うちの子は落ち着きがなくて」
「頑固で、言い出したら聞かないんです」
「引っ込み思案で、自分から何もしないんです」
「飽きっぽくて、何をやっても続かない」
親御さん同士の会話って、 不思議なくらい、子どもの「短所」の話になりがちです。
「うちの子のいいところ」を堂々と語る親は、あまりいない。
自慢と思われたくないから。
謙遜が美徳の文化だから。
でも、私が気づいたのは、 人前だけでなく、自分の心の中でも、短所ばかり数えているということでした。
足りないことばかりに目が行き、
あれができない。
これが足りない。
もっとこうだったら。なんでこうなんだろう。
岸見一郎先生の『子どもをのばすアドラーの言葉 子育ての勇気』(幻冬舎、2016年)を読んで、 この「短所に目が行く癖」には、ちゃんと理由があるとわかりました。
なぜ、短所ばかり見えるのか
理由はシンプルです。
私たちは、「問題を見つけて直す」ことが正しいと教わってきたから。
- テストは間違いに✗をつける。
- 通知表は「もう少しがんばりましょう」が目立つ。
- 会社ではミスの指摘と改善が求められる。
この思考回路が、子育てにもそのまま適用されてしまう。
だから、子どもを見るとき、自然と「足りないところ」に目が行く。
でもアドラー心理学は、まったく逆のことを言います。
問題に目を向けるのではなく、長所に光を当てよう。
短所の裏側には、必ず長所がある
ここからが、この回で一番大切な話です。
- 「落ち着きがない」→ 好奇心が旺盛で、エネルギーにあふれている
- 「頑固」→ 自分の意志を持っている。簡単に流されない
- 「引っ込み思案」→ 慎重で、よく観察している。思慮深い
- 「飽きっぽい」→ 興味の幅が広い。切り替えが早い
- 「おしゃべりが止まらない」→ 表現力が豊かで、伝えたいことがある
同じ特性を、どちらの面から見るか。
それだけで、子どもの印象がまるで変わります。
見ている面を、変える。それだけのことです。

子どもの長所に光を当てよう ─ 短所の裏側に可能性がある
「直す」から「伸ばす」へ
短所を直そうとすると、子どもにはこう伝わります。
「今のあなたでは、ダメだ」
長所を伸ばそうとすると、子どもにはこう伝わります。
「今のあなたの中に、すでにいいものがある」
第7回で「ありのままの子どもを見る」というお話をしました。
第8回で「勇気づけ」の話をしました。
今回のテーマは、その二つの実践編です。
ありのままの子どもを見て、 その中にある長所に光を当てて、 「あなたのその部分、いいね」と勇気づける。
「直す子育て」から「伸ばす子育て」へ。
この転換ができると、 親自身も、子どもと過ごす時間がずっと楽しくなります。
今日、一つだけ見つけてみる
今日、子どもの「短所」が気になったとき、 一度立ち止まって、こう問いかけてみてください。
「これを裏返したら、どんな長所になるだろう?」
一つでいい。
たった一つ見つけるだけで、 子どもへの声かけが変わります。
「また散らかして!」が、 「いろんなことに興味があるんだね」に変わるかもしれない。
子供の可能性は無限です。
その可能性は、短所の裏側にこそ眠っています。
自分らしく輝く子供は無敵です。
その輝きに最初に気づけるのは、親御さんだけです。
『幸せな秀才児』が増えることが最大の喜びです。
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📚 この連載について
この記事は、哲学者・岸見一郎先生のアドラー心理学をもとにした
「アドラー心理学で学ぶ子育て」連載の一部です。
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