子供の食育では、ビタミンを摂るために野菜をたくさん食べることが推奨されています。
しかし、「そもそも、なんでビタミンが大切なのか?」を理解している人は意外に少ないと感じます。
今回は、特に「三大栄養素」と「ビタミン」に注目して、私たちの体にエネルギーをもたらす仕組みとビタミンの重要性についてお伝えしていきます。
目次
三大栄養素って何?
三大栄養素とは、「タンパク質」「脂質」「炭水化物」の3つのことを指します。
これらは私たちの体を動かすための大きなエネルギーの源となります。
なぜビタミンが必要?
さて、これらの三大栄養素だけでエネルギーが作られるわけではありません。
私達の身体は、ビタミンの働きがなければこのエネルギーを生み出すことができないのです。
ビタミンは、三大栄養素がエネルギーに変わる手助けをしてくれます。
具体的には、食べ物から取り入れた三大栄養素を、体内でエネルギーに変える際の「キーパートナー」として機能します。
ビタミンの種類と特徴
特に、エネルギーを作るのに役立つビタミンは以下のようなものがあります:
- ビタミンB1(チアミン)
炭水化物からエネルギーを取り出す手助けをしてくれます。 - ビタミンB2(リボフラビン)
脂質やタンパク質をエネルギーに変えるサポートを行います。 - ビタミンB6
タンパク質をうまく利用するために働きます。
ビタミンがたくさん含まれる食材
エネルギー作成のサポート役、ビタミンをたくさん含む食材はこんなものがあります。
- ビタミンB1
豚肉、魚、全粒粉のパン - ビタミンB2
卵、緑の葉っぱの野菜、牛乳 - ビタミンB6
鶏肉、魚、バナナ
三大栄養素は私たちの大きなエネルギーの源ですが、それをうまく活用するためにはビタミンが必要です!
食事の際は、これらのビタミンを多く含む食材も取り入れるように心がけましょう。
ビタミンの他の役割
ビタミンの働きとして、三大栄養素と一緒にエネルギーを作るサポートをするがとても重要だとお伝えしましたが、ビタミンにはそれだけでなく、他にもたくさんの重要な役割があります。
体を守る働き
【ビタミンC】や【ビタミンE】は、体を守るアンチオキシダントとしての役割があります。
これらのビタミンは、体の中で悪さをする「活性酸素」というものを無害にしてくれます。
これにより、体の細胞が健康を保つことができます。
体の成長と修復
特に子供のみなさんには欠かせないのが、【ビタミンA】です。
ビタミンAは、私たちの皮膚や目、骨の成長や修復をサポートします。
成長期のみなさんは、しっかりとビタミンAを取り入れることが大切です。
ビタミンAを多く含む食材
ビタミンAは、以下のような食材にたくさん含まれています:
- ニンジン
オレンジ色の食材にはビタミンAが豊富! - ほうれん草
緑色の野菜もビタミンAの宝庫です。 - カボチャ
これもオレンジ色の食材。秋に旬を迎えるカボチャは、ビタミンAがたっぷり。
ビタミンは、エネルギーを作るだけでなく、体を守ったり、成長や修復をサポートしたりする大切な役割も持っています。色々な食材からバランスよくビタミンを取り入れて、健康な体をつくりましょう!
ビタミンの摂取と日常生活
さて、これまでにビタミンが私たちの体にとってどれだけ大切なのかを学びましたね。
でも、日常生活で具体的にどうやってこれらのビタミンをしっかりと摂取すればいいのでしょうか?
今回は、そんな日常の中でのビタミン摂取のコツをお伝えします。
1. 色とりどりの食材を食べる
ビタミンは、さまざまな食材に含まれています。
特に、色の違う野菜や果物には、それぞれ異なるビタミンが豊富です。
食卓に色々な色の食材を取り入れることで、様々なビタミンをバランスよく摂取することができます。
2. 新鮮な食材を選ぶ
ビタミンは、熱や光、空気に弱いものもあります。
新鮮な食材を選び、すぐに調理・摂取することで、ビタミンを多く摂取することができます。
3. 調理方法に注意する
ビタミンは、長時間の加熱や水に浸けることで失われることがあります。
生で食べられるものは生のまま、または軽く調理することをおすすめします。
また、炒め物や蒸し物など、さまざまな調理方法を組み合わせると良いでしょう。
※ビタミンを取るときの小ワザ
- 野菜や果物は皮ごと食べる(ただし、きちんと洗浄すること)
- 野菜の下茹での水は捨てずにスープや煮物に利用する
- 日光(紫外線)や熱を避けて食材を保存する
日常生活でのちょっとした工夫で、ビタミンをしっかりと摂取することができます。
健康のために、どんな食材をどのように調理して食べるか、意識してみましょう!
ビタミン摂取の誤解を解く
子供の成長のためにも積極的に接種して頂きたいビタミンですが、ビタミンに関する誤解や間違った情報が日常の中に溢れていますので注意が必要です。
1. ビタミンは多ければ多いほど良い?
【誤解】
ビタミンは体に良いものだから、たくさん摂取すればするほど健康になる。
【事実】
ビタミンは確かに体にとって必要な栄養素ですが、過剰に摂取すると体に悪影響を及ぼすこともあります。
特定のビタミンが多過ぎると、逆に健康を害する場合も。バランス良く摂ることが大切です。
2. サプリメントでの摂取と食材からの摂取、どちらが良い?
【誤解】
食事でビタミンを摂るのが難しいから、サプリメントで摂取すれば十分。
【事実】
サプリメントは補助的な役割を果たすもので、主な栄養源として頼るべきではありません。
天然の食材から取れるビタミンには、サプリメントでは補えない他の栄養素や効果もあります。
3. すべてのビタミンは水溶性で、余ったものは尿として排出される?
【誤解】
余分なビタミンは体外に排出されるから、過剰摂取の心配はない。
【事実】
ビタミンには水溶性と脂溶性があります。
脂溶性のビタミン(例: ビタミンA, D, E, K)は体内に蓄積されやすいので、過剰摂取には注意が必要です。
「加糖系」と「クエン酸回路」について
私たちの身体は、食物から得られる三大栄養素(炭水化物、脂質、たんぱく質)とビタミンを使って必要なエネルギー源を作り出すのですが、
このエネルギーを作るエンジンである「加糖系」と「クエン酸回路」についても少しだけ知って欲しいと思います。
1. 加糖系(グリコリシス)
加糖系は、細胞の資質である細胞質内で機能します。
炭水化物から取り入れられたグルコースがこの系で分解され、エネルギーとして利用されるATPと、後のクエン酸回路での反応に繋がるピルビン酸が生成されます。
加糖系の働き
- グルコースの分解
- ピルビン酸の生成
- ATPとNADHの生成
2. クエン酸回路(TCAサイクル、クレブスサイクル)
クエン酸回路は、ミトコンドリア内で行われる一連の反応です。
この回路では、加糖系で生成されたピルビン酸がさらに分解され、大量のエネルギーが得られます。
クエン酸回路の働き
- ピルビン酸からアセチルCoAの生成
- クエン酸の形成と分解
- ATP、NADH、FADH2の生成
- 電子伝達鎖へのエネルギーの供給
まとめ
私たちの体がエネルギーを生成する過程は非常に複雑で、上記の他にも、多くの酵素や補酵素が関与しています。
成長期のお子さんは、毎日大量のエネルギーを必要としますので、今回お伝えした身体の仕組みを理解して、バランスの良い、不足のない栄養補給をして欲しいと思います。
【足りないよりも余る方が良い】
これも子育てのコツです
【幸せな秀才児】が増えることを願っています
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それではまた