探究学習とは?世界標準の『地頭の良さ』を生み出す新しい学習法

子育て

近年、主に高校の進路選択の場面で、一部の進学校では『探究科』という学科が増えていると感じている親御さんは多いと思います。

2020年度のセンター試験が廃止され、新しく「大学入学共通テスト」が実施されるようになった背景には、従来のセンター試験に対する学習では「暗記力・知識量」を問うだけで現代社会で最も必要な「思考力・判断力・表現力」などの能力の発達ができていない事で、若者の『地頭の良さ』が世界では通用しなくなっている事が懸念されているのです。

参考文献:本当に頭のいい子を育てる世界標準の勉強法 著者 茂木健一郎

今回は、この今後新しい教育の主流となっていく『探求学習』について紹介していきます。

探求学習とは?

探求学習の定義

能動的な学習

答えを導き出すための力を付ける学習

従来の情報を知識として記憶するために暗記を中心とした学習ではなく、自らが設定した課題について、自ら情報を集め仮説を検証し、主体的に答えを導き出すのが『探求学習』だとされています。

探求学習のテーマは、社会問題や自分の好きな事でも何でもいいとされており、子供が好きで熱中しているテーマと進みたい進路を上手く組み合わせて探求学習が行われるケースでは、脳の中でドーパミンが放出され、楽しみながら深く探求し学習する事で『地頭が良くなる』事が確認されています。

堀川の奇跡

この探求学習を有名にしたのが、「堀川の奇跡」といわれ度々メディアに取り上げられた京都市立堀川高校です。

1999年に校内の教育改革によって「探究科」が設置され、生徒の興味や関心を引き出す探求学習を導入したのですが、2002年に一期生として入学し受験を迎えた生徒の国立大学現役合格者が、前年の6人106人18倍になった事で世間を驚かせました。

現在では、毎年50名余りの生徒が、東京大学、京都大学に進学するほどの進学等となっています。

これが「堀川の奇跡」として全国的に有名になり、全国各地で探求学習が導入されるきっかけとなったのです。

探求学習のメリット

探求学習をしている子供が、していない子供に比べて学力が上がる理由

  • 自分の好きな事を主体的に楽しく探求する事で、勉強に対するモチベーションが上がる
  • 分からないことを調べて深く追究するようになると、受験勉強も知識の詰め込みでない楽しめる勉強法方法を工夫するようになり受験勉強も楽しくなる
  • 知識欲が高まり勉強する事が苦にならなくなり、勉強時間が増える
  • 地頭が良くなるのでIQが上がる

実際には、入試科目に直接関係のない探求を積んだ生徒が、上記のような理由により受験勉強にも楽しく取り組むようになる事で良い成果に繋がっているのです。

探求学習の未来

このようにメリットが多い探求学習ですが、2020年時点の教育現場では、まだまだ手探り状態が続いている状況です。

しかし、この探求学習は今後間違いなく教育の主流となっていくと考えられています。

自らが課題の解決に向けて、情報を集めトライアンドエラーを繰り返しより良い成果を導き出していく探求学習は、実際にビジネスの現場で仕事をしている状態に近いとされており、若いうちから社会で活躍する人材を育成するには最適な教育方法だとされています。

また、現状では、高校生が探求学習でどんなに素晴らしい成果を出しても、それが大学進学に有利になる事は殆ど無いのですが、欧米では、既に探求成果の評価が大学入試にも影響するようになっているので、日本でも将来的には、大学入試の合否判定に探求学習の成果が影響する時代が来るのではないかといわれています。

お子さんの進路を検討する上で、今回紹介した『探求学習』を導入している学校を選択肢に入れる事を考える事も重要になってきているのです。

子供にとっても、暗記ばかりの受験勉強で終わる高校生活よりも、自分の興味のある事を追究できる環境で学べる高校のほうが楽しいと思います。

今後、この探求学習を行なう探究科を設置する高校は増えてくると思いますので、高校進学を控えている親御さんは、今から情報収集をしておくことをオススメします。

多くの日本の子供達が世界で活躍する日が来ることを願っております。

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