自分が『今』出来る事
これがメンタルトレーニングの基礎です
お釈迦様の教えでは『中道』
コーチングやヨガでは『いま、ここ』
自然界でも、磁石のN極・S極、酸性・中性・アルカリ性、振り子、慣性の法則・・・
全てのモノは、バランスの取れている状態で安定する
このバランスの取れている状態が最も強いと考えられています
メンタルトレーニングでは、心と身体のバランスをコントロールすることを最も重要なことだと考えています
理屈っぽいことを言っても混乱するので、今回はメンタルトレーニングで最初に学んで欲しいことだけをお伝えします
目次
メンタルトレーニングの初歩
人間が力を発輝するためには『意志の力』を必要とします ※スターウォーズではフォースの力
この『意志の力』は様々な外的要因で浪費され無駄使いされます
浪費の最も大きな原因は
- コントロール出来ないことに執着する
ことなのです
人間は自分の思い通りに事が運ぶ絶好調な時は最高のパフォーマンスを発輝することが出来るはずです
この状態は、全てが自分でコントロール出来ている状態で、邪魔されるものが何も無い状態です
必要な時に意図的にこの状態を作る事ができれば、誰でも最大のパフォーマンスを発輝し最高の結果を手にすることが出来るのです
つまり、この状態をコントロールすることがメンタルトレーニングのゴールなのです
ちなみに、この状態を『ゾーンに入る』『フロー状態』などと言います
コントロールする方法は色々ありますが、まず初めに大切なことは、”コントロール出来ないモノ”を知る(認識する)ことです
人間は、未知なモノには対応出来ませんが、認識すれば対応出来るようになります。だから、まずは認識することが必要なのです
コントロール出来ないモノ
- 過去・未来
- 他人
- 自分の心
誰にでも、過去に囚われ同じ失敗を繰り返してしまうことがあると思います
過去のトラウマで自分の能力に蓋をしてしまう「象の鎖・ノミの蓋」の話はとてもパワフルな教訓です
夢や得たい結果に囚われ過ぎて、目の前が見えなくなり足元をすくわれてしまう失敗も未来にフォーカスし過ぎた結果です
また、他人が自分の思うように動かないことでイライラしたり、価値観や習慣の違いにストレスを感じることも他人をコントロールしようとする弊害です
さらには、自分の心も実際にはコントロール出来ません
自分の心をコントロール出来るなら、三日坊主なんて言葉は無くなり、誰もが成功者なはずです
実際の心は自分でコントロールしているつもりで、外的要因にコントロールされているものなのです
自分の『意志の力』を浪費させる”コントロール出来ないモノ”を正確に認識し、対応する方法を身につけることがメンタルトレーニングの初歩です
対応する具体的な方法はまたお伝えしますが、まずは、この”コントロール出来ないモノ”に邪魔されないように意識することから始めて欲しいと考えます
競技スポーツのメンタルトレーニングで大切な2つのこと
『発揮能力』
1つ目は、試合などの競技本番で自分の持っている力(パフォーマンス)を最大限発揮させる発揮能力
つまり、試合で力を出し切る能力です
『保有能力』
2つ目は、パフォーマンスを高めるために、技術・体力レベルなどを向上させていく保有能力
つまり、練習で力を付ける能力です
メンタルトレーニングをやるうえで、この2つにバランスよく取り組むことが競技力向上の近道だと私は考えています
しかし、これを正しく理解していない弊害も沢山見受けられます
近年はメンタルトレーニングという言葉もだいぶ定着してきましたが、まだまだその本質を正しく理解している選手や指導者は少ないように思います
よくある悪い傾向としては、メンタルトレーニングの『発揮能力』だけを重視し、試合で実力以上のパフォーマンスを発揮することを期待し過ぎることです
酷くなるとメンタルトレーニングを魔法や神頼みのように都合よく利用し、日々の練習を疎かにするようになります
これでは『保有能力』が向上しないうえに試合でも力を出し切ることは難しくなります
メンタルトレーニングの弊害
- 戦いの笑顔とヘラヘラした負け犬の笑顔の違いも分からずに、ただ試合中にヘラヘラ笑って集中出来ていない選手
- 覇気ある声出しと強要された声出しの違いも分からずに、試合中にずっと大声で叫び続け自分のプレーに集中出来ていない選手
これらは、間違ったメンタルトレーニングの弊害です
試合で出せるパフォーマンスは今まで積み上げてきた力がMAXです
それ以上を無理やり出そうとすること自体が間違ったメンタルトレーニングの弊害に繋がります
競技中はアドレナリンが出て、練習以上の結果が出ることも多いですが、それは、その選手には元々その力があったにすぎません
間違ったメンタルトレーニングにより持っている力を発揮できず悔しい思いをしないためにも、正しく効果の出るメンタルトレーニングを学び活かして頂きたいと考えます
興奮の悪影響
1対1で戦う相撲などの格闘技では、テンションを上げすぎて焦れ込んだ(入れ込んだ)状態の選手が冷静な相手もカモにされて簡単に負けてしまうことが多くあります
相撲でこんなシーンを見たことは無いですか?
力自慢の大型力士が、興奮しすぎて周りが見えなくなり、視野が狭まり眼の前の敵の顔しか見ず、猪突猛進に突っ込んだが相手にヒラリとかわされそのまま土俵の外にすっ飛んでいく
メンタルトレーニングを学んでいる力士なら、対戦相手がこんな入れ込んだ状態ならラッキーと思うのです
過度な興奮は緊張と同じです
過度な緊張は身体に異常を生じさせます
この異常な状態を排除するために、様々な対処をするのがメンタルトレーニングの基本です
一流は常に平常心でいつも通りプレーする
この『平常心』『いつもどおり』ということが重要だということを再認識して頂きたいと思います
イチかバチかなやり方で己を見失い、ムラのあるパフォーマンスで本当に大事な試合でチャンスを逃す選手でなく
自分自身を客観的に把握し手応えを積み上げ、最高のパフォーマンスでチャンスを確実に掴み取る選手に育てるのが親や指導者の役割です
人間の可能性は無限です
競技力は必ず伸びます
私達、親や指導者の無知が、子供や選手の将来を潰してしまうことのないように日々の正しい努力が大切です
メンタルトレーニングには、トレーニングを受ける相手のレベルごとにやる事が変わります
小学生のトレーニングとオリンピック選手のトレーニングではやる事が違って当然です
そして、このレベル差は競技レベルだけでなく、同じ年代の選手、チームでも大分違いがあります
はじめの1歩で大切なことが次の区分を明確にする事です
環境が心をつくる
環境が悪く力を発揮できないなら、先ずは環境を悪くしている要因を排除する事
逆に、恵まれた環境があるのに力を発揮できていないなら、それは本人のメンタルの状態を分析し改善していく事から始めるのがいいのです
メンタルトレーニングを依頼されるケースの多くが、メンタルトレーニングの前に、悪影響を排除する事から始めなければいけない現状にあります
それだけ、我々の置かれている世界は、自分らしく力を発揮するのが難しくなっているのかもしれないと考えるべきです
さらには、この悪影響を生み出しているのが、組織トップ(組織長、コーチ、保護者)だったりするからが悲しく厄介なことなのです
信じ頼る人が1番の邪魔者なんて悲しすぎる、しかし本当にこれが多いのです
光るものを持っている人の輝きが失われている事、輝く才能が潰れていくのを見る事ほど悲しいことはありません
実際に悪影響を排除する事で想像以上に飛躍するケースも珍しくないから、この悪影響を生み出す環境のパワフルさを馬鹿にしてはいけないと強く思います
邪魔者、足枷を排除する事で、文字通り羽根が生えたように飛躍するケースを何度も見てきました
人は、他人の事は見えても、自分の事は意外に見えていない
自分を飛躍させてくれるコーチに巡り合えた選手は本当に幸せです
そんな輝く人が増えてくれたら楽しいです
しかし、そんなに優秀なコーチがすぐそばに居る、最大の理解者がすぐそばに居るケースは本当に稀です
世の中邪魔者で溢れかえっている
悪くなると分かっているのにそれをしてしまう心理は理解出来ないが、実社会には、そんな状況で溢れかえっています
さらには、そんな邪魔者は大抵目の上のタンコブだから、自分の力で排除する事は難しいのです
しかし、この邪魔者を無力化、さらには協力者にしてしまう方法があるのです
それが、邪魔者と一緒にメンタルトレーニングを受ける事なのです
邪魔者を排除するには、その原因となる人を辞めさせるのではなく、その人にメンタルトレーニングを受けさせ進化させることがとても有効な手段となります
もちろん、自分も成長進化するのは当然だが、メンタルトレーニングの必要性を感じる感性を持つあなたのような人には、チームを覚醒させる力があるのです
指導者やコーチや保護者も含めたチーム全体でのメンタルトレーニングの機会を作り、そこに邪魔者を同席させることで、80%の確率で邪魔者を協力者に変える事が出来るのです
残念ながら、20%に確率で、本当に排除しないと解決しないケースもありますが、これはアンラッキーだから仕方がないです
でも80%はこのやり方でチームが生まれ変わります
混乱したフワフワした現代において、メンタルトレーニングを行う事の恩恵は日に日に大きくなっていると実感しています
多くの人がメンタルトレーニングを通じて
自分らしく輝く事を願っています
子供や選手には自らの成功を信じ切り、競技を通じて大切なことを学び、充実した人生を送って頂きたいです
『幸せな秀才児』が増えることが最大の喜びです
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