子育ては【技術】だった ─ 『ペアレント・トレーニング』という選択肢とは?

「子育ては『技術』だった ─ ペアレント・トレーニングという選択肢」
「子育ては『技術』だった ─ ペアレント・トレーニングという選択肢」
子育て

「もっと上手な親になりたい。」

こう思ったことは、何度もありました。

でも、どこに行けばいいかわからなかった。

誰に聞けばいいかも、わからなかった。

育児書は読んだ。

ネットも調べた。

でも、どれも「こうすればいい」という正解ばかりで 「できない自分はどうすればいいのか」 という答えを見つけることはできなかった。

そもそも、子育てって、誰かに教わるものじゃないのだろうか。

友田明美先生の『親の脳を癒やせば子どもの脳は変わる』を読んで、 私はそのことを、改めて考えさせられました。

「子育ては『技術』だった ─ ペアレント・トレーニングという選択肢」

「子育ては『技術』だった ─ ペアレント・トレーニングという選択肢」

誰も「親の技術」を教えてくれなかった

学校で習うことは、たくさんある。 数学、英語、理科、歴史。

でも、子育ての仕方を教わる授業は、どこにもなかった。

料理には料理教室がある。

運転には教習所がある。

仕事には研修がある。

なのに、子育てだけは、

「産んだら自然にわかる」

「愛情があれば大丈夫」

そう言われてきた。

私も、そう信じていた。

愛情さえあれば、なんとかなると。

でも、愛情と技術は別物だった。

愛しているのに、怒鳴ってしまう。

大切にしたいのに、傷つけてしまう。

それは、愛情が足りないからではなく、 技術を知らなかったからだと、今はわかるようになりました。

ペアレント・トレーニングとは何か

友田先生の本の中で紹介されているのが、 ペアレント・トレーニングという考え方です。

ひと言でいえば、

「子育てのスキルを、体系的に学ぶプログラム」

です。

怒らないようにしよう、という根性論ではありません。

優しい親になろう、という精神論でもありません。

子どもの行動にどう反応するか。

褒め方、注目の向け方、問題行動への対処の仕方。

これらを、練習として繰り返し学ぶのです。

スポーツの練習と同じです。

頭でわかっているだけでは動けない。

体に染み込むまで繰り返す。

それが、ペアレント・トレーニングの発想です。

「わかっているのに、できない」の正体

子育てで一番つらいのは、ここじゃないかと思います。

わかっている。でも、できない。

怒鳴っても意味がないと知っている。

体罰はよくないと知っている。

ゆっくり話を聞いてあげればいいと知っている。

なのに、できない。

  • 知識

 ↓

  • 「こうすればいい」と頭でわかる

 ↓

  • でも余裕がなくなると体が先に動く

 ↓

  • またやってしまった

 ↓

  • 自己嫌悪

 ↓

  • さらに余裕がなくなる

このループを抜け出すのに必要なのは、 もっと強い意志でも、もっと深い反省でもない。

練習と、反復と、少しずつの習慣化。

それだけなのです。

根性論を手放していい

私たちの世代は、どこかで

「頑張れば何でもできる」

「気合いが足りないからうまくいかない」

という考え方を叩き込まれてきた気がします。

私もそうでした。

子育てがうまくいかないのは、 自分の努力が足りないからだとずっと思っていた。

でも、ペアレント・トレーニングはそうじゃないと言っている。

うまくいかないのは、根性が足りないからではなく、 やり方を知らないから、練習していないから。

それだけのことです。

包丁の使い方を知らない人に、 「気合いで料理を作れ」とは言わない。

まず教えて、練習させる。

子育てもまったく同じです。

まず、知ることから始めればいい

ペアレント・トレーニングは、 今では自治体や支援センター、医療機関などで受けられるプログラムがあります。

オンラインで学べる形も増えてきました。

でも、まず今日できることは、

「子育ては技術として学べるんだ」

ということを、知るだけでいい。

根性でどうにかしようとしていた自分を、 一度手放していい。

私は、この考え方に出会ったとき、 肩からすっと力が抜けたのを今でも覚えています。

「頑張り方が間違っていただけだったんだ」と、思えたから。

できない自分を責めるより、学ぶことを選ぼう

この連載を通じて、何度も言ってきたことを、 最後にもう一度だけ。

完璧な親になる必要はない。

生まれつき子育てが上手な人なんていない。

みんな、知らないまま始めて失敗しながら学んでいる。

だから、できない自分を責めることに使っていたエネルギーを学ぶことに使ってほしい。

子育ては今日からでも学べる。

何歳からでも学べる。

そして、学んだことは必ず子どもに届きます。

次回は「脳は、何歳からでも変わる」という考えについてお伝えします。

『幸せな秀才児』が増えることが最大の喜びです。